真っ白くて頭が真ん丸なシロイルカは、ニコニコしたような愛嬌ある表情で水族館の人気者です。
実はこのシロイルカは、1年に1回脱皮をするのです。
脱皮って昆虫だけがする事じゃないの?と言う声が聞こえそうですが、その理由や方法などを紹介します。
シロイルカは寒い地域の生き物
水族館で見ているシロイルカは、実はとても寒い地域で生息しています。
北極海・ベーリング海北部・オホーツク海が主な分布領域です。
春になると出産や子育てのために、カナダ各地の沿岸など暖かい所へ移動します。
寒さに対応出来るシロイルカの体の構造
北極海などの極寒の地で生息するシロイルカなので、水上に顔を出して呼吸をするときには流氷と接触します。
その寒さに対応するために、体が厚い皮下脂肪で覆われているのです。
この皮下脂肪は夏場に暖かい海で、たくさんの栄養豊富な餌を食べて蓄えます。
シロイルカの皮膚は分厚い
そして、その皮下脂肪を守るために分厚い皮膚が外面を守っています。
シロイルカの皮膚は厚さ約3cmもあるのです。
シロイルカは脱皮で大きくなるの?
昆虫などは脱皮をすると体が一回り大きくなります。
そして体と同じ形の殻が残ります。
では、シロイルカも成長のために脱皮をするのでしょうか?
シロイルカは寒い衣地域で暮らし、冬の間に皮膚が氷でぼろぼろになります。
この傷ついた皮膚を剥がして、新しい皮膚の再生を促すために脱皮をします。
夏になると、シロイルカは浅瀬の湾内などへ移動します。
この海底に体を擦り付けて皮を剥がすのが脱皮の行為です。
古い角質をぽろぽろと剥がすような脱皮なので、その場にシロイルカの形をした殻が残ることはありません。
日本の水族館などで飼育されているシロイルカも、この脱皮の行為を行います。
まとめ
シロイルカの脱皮は体を大きくするためではなく、傷ついた皮膚を剥がして新しい皮膚の再生を促すものでした。
夏場の暖かい時期には、イルカの皮膚も人間の皮膚のように代謝が進みます。
毎年このようにして脱皮行為を繰り返すのですが、浅瀬に長い期間滞在するとクマなどの天敵動物に見つかったりと、危険も増えます。
シロイルカは命がけで脱皮をして、寒い冬の備えをします。