愛らしいフォルムに顔。
人懐っこくて水族館でも不動の人気を誇るイルカ。
ひとたびイルカショーが始まると、素早くプールをかけめぐる身体能力には驚かされるばかりです。
その速さの秘密は、皮膚に隠されていました。
イルカの皮膚の早すぎる新陳代謝の秘密
有名なイルカの研究者が、イルカの泳ぐ速度を計算したところ、「イルカの筋肉量では十分な説明がつかない速さ」ということが明らかになりました。
この矛盾は数十年にわたって、謎として研究されていました。
そこで注目され始めたのが皮膚です。
イルカの皮膚は、人間と同じように表皮・真皮・脂皮の三層から構成されています。
表皮はスポンジのように水分を吸収する成分で覆われていて、ゴムのような弾力があります。
また、触った時にザラザラする感触は、とても小さな突起が無数にあるからです。
この弾力と突起が水中の抵抗を抑え、イルカの速さを可能にしているといわれてきました。
ところが、最近の研究でイルカの皮膚は、2時間で新しい皮膚に生まれ変わることが分かりました。
人間の皮膚が完全に生まれ変わるのは、28日周期。
つまりイルカの皮膚の新陳代謝は、人間の約336倍。
ものすごい速さですよね。
何故そんなにも早く生まれ変わる必要があったのでしょうか。
水の密度は、なんと空気の約827倍。
水中では空気中で運動するよりも、約19倍の抵抗を受けるといわれています。
さらに水中では、進むことで身体にそって小さな渦が発生します。
その渦が身体をひっぱってしまうのです。
その渦作らないように役立っているのが、イルカのはがれ落ちる皮膚なのです。
渦なんて原理的にどうしてもできてしまうものですが、それも予防する術を持っているのだから凄いです。
イルカの皮膚には速く泳ぐための工夫がいっぱいです。
まとめ
科学も追いつけない進化をとげてきたイルカの皮膚を参考に、オリンピック競泳選手も着るような水着、アルペンスキー用ウェアが開発されています。
ただ癒されると思っていた動物は、自然界の最先端をゆく進化をとげていました。