イルカはとても速く泳ぐことができます。
人間もその真似をして、バタフライの時にドルフィンキックという泳法を使います。
そもそもどんなメカニズムで、あんなに縦横無尽に素早く泳ぐことができるのでしょうか。
その秘密は、ひれの使い方にありました。
イルカの尾びれ、胸びれの役割
イルカには、胸びれ、背びれ、尾びれがあり、3種類のひれの役割はそれぞれ違います。
背びれは、泳ぐ際に左右バランスをとったり、体温の調整を行ないます。
主に推進力になっているのは、尾びれ、胸びれです。
イルカはもともと陸上生物でした。
狼のような姿形をして、4足歩行だったといわれています。
そして水中で生活するようになり、前足は胸びれに、後足は退化してなくなりました。
そのため、一枚の三角形に見える胸びれには、人間のように指の骨が5本あります。
この胸びれを使って、水中で自由に方向転換したり、ブレーキをかけたりします。
尾びれは、進化の過程で皮膚から派生したものです。
そのため骨がなく、硬いゴムのようになっています。
尾びれの先端は上に曲がりますが、下には曲がりません。
尾びれを上に上げることによって、その場所に前方から水が流れ込み、イルカを前に進める力が働きます。
そして、尾を下におろして、水平にすることで水を逃がし、水中での抵抗を極限まで減らす。
これがイルカの泳ぎ方です。
人間の行なうドルフィンキックは、足を下におろす時に推進力が働くので、イルカの泳ぎ方とは少し違うようです。
この動きのために使われるのは、体の約三分の一で、上下運動の水の抵抗を減らすために、縦に細くなっている部分までが尾の一部なのだそうです。
まとめ
水中でのトップスピード時速約82キロも出るといわれているイルカ。
その尾びれの威力はすざまじいものがあり、最大のイルカといわれているシャチは、尾びれでアザラシを叩いて失神させるといいます。
水中でその威力とは恐ろしいです。
仲間のクジラに至っては、尾びれの威力が80トンにもなるようです。
イルカと戯れる機会があれば、尾びれには気を付けたいものです。