私達人間は「哺乳類」です。
哺乳類は陸上生物というイメージがあるかもしれませんが、哺乳類の中には海で生息するアザラシやアシカ、見た目は魚のクジラやイルカも同じく哺乳類です。
では、イルカは海の中で生息している生物なのに呼吸はどのようにして、何呼吸で生きているのでしょうか。
イルカの呼吸
イルカは見た目は魚ですが、魚のように「エラ」はありません。
ではエラがないのにどのようにして、水の中で生活しているのかというと、イルカは実は私達と同じように「肺」で呼吸する「肺呼吸」で生活しています。
ちなみにクジラとイルカの呼吸はほぼ同様で、両方とも肺呼吸です。
水中で肺呼吸?という疑問がありますが、イルカの頭頂部には呼吸のために独立した「噴気孔」が存在します。
クジラでいうと「潮吹き」をする部分をイメージしてもらえれば分かりやすいでしょう。
イルカの呼吸の周期はおよそ40秒です。
その噴気孔から肺呼吸をしています。
実は噴気孔から海水を出しているのではなく、吐いた空気が冷えて海水を吹いているように見えるというのが正解です。
イルカは肺呼吸なのに陸上生活できない理由
イルカが浜辺に打ち上げられ、亡くなってしまうというニュースを耳にした事がある方もいるでしょう。
肺呼吸なのに、なぜ陸上に上がると弱いのでしょうか。
それはイルカの体の大きさも関係しています。
人間よりも大きな体のイルカは、水中では自分の体を支える必要がないので、がっちりとした骨組みである必要もありません。
しかしながら、水圧に対する抵抗力は必要になります。
水圧に対する抵抗力を付ける為には、皮下脂肪が必要になります。
その反面、がっちりとした骨組みは必要ないので、骨の繋がりが緩くなり体は大きくなるのです。
陸に上がると水の浮力はなくなり、一気に体の中の臓器に圧力がかかる事になりますね。
皮下脂肪が多く、体の大きいイルカは体重も重いです。
その為、肺などの生きていく上で必要な臓器が陸に上がると押しつぶされてしまうので、陸上では生活が出来ないのです。
まとめ
イルカは姿は「魚」ですが、肺呼吸をしています。
しかしながら、水の中でしか生きられないという不思議さも持ち合わせています。
哺乳類の中でも、まだまだ研究途中のイルカの生態。
水族館へ行った際には、イルカの呼吸も意識して見てみると面白いかもしれませんね。