2015年春に、茨城県沖に約160頭のイルカが打ち上げられたニュースが話題になりました。
このうちの17頭を国立科学博物館が調査したところ、ほとんどのイルカの肺が真っ白に虚血状態に陥っていました。
内臓には異常はなかったそうです。
大地震の前触れかと心配する声も上がっています。
このニュースの真相はなんだったのでしょう?
多数のイルカが漂着
2015年4月10日の朝、茨城県鉾田市の海岸に160頭ものイルカが漂着しているのが発見されました。
地元の人達が懸命に救出作業を行いましたが、残念なことにイルカたちは亡くなってしまったのです。
イルカの肺が真っ白に
このうちの17頭を国立科学博物館の研究者たちが調査をしたところ、ほとんどのイルカの肺が真っ白になっていたのです。
この真っ白というのは、肺が虚血状態だったことを現しています。
しかし、内臓疾患や感染の兆候は見つかりませんでした。
イルカが大地震を予知したのか?
多数のイルカが打ち上げられたことで、多くの住民が大震災の前触れを予知したイルカが陸上に逃げて来たのではないかと心配をしています。
頭のいいイルカは自然の変化に敏感に気づき、地震をも予知できる力があるのかもしれません。
海で暮らすイルカへの原発の影響は?
チェルノブイリの事故後の研究で、放射能と虚血性心疾患の関係性が示されています。
放射能事故後には癌の発症が増えることが知られていますが、虚血性心疾患の発症も増えます。
2011年の震災による原発事故の前後では、福島県での虚血性心疾患患者の数が14%ほど増えています。
そしてこの打ち上げられた海岸がある茨城県鉾田市は、福島県との県境の近くに位置します。
水中で暮らすイルカたちにも放射能の影響があったのでしょうか?
イルカもパニックを起こす
国立科学博物館の研究者の調査の結果、
突然冷水域に入ってしまったイルカがパニックに陥ってしまったことが肺の虚血の原因の可能性が高いと発表をしました。
まとめ
イルカは単独行動をする種類もありますが、ほとんどが群れで行動をします。
集団で泳いでいた時に急に冷水域に入ってしまい、みんなでパニックに陥ってしまったのでしょう。
まだまだ謎が深いニュースですが研究者の皆さんには原因の解明に力を入れてもらい、自然で暮らす生き物にも安心して暮らしてもらえる世の中でいてほしいものです。