実はイルカ、クジラの仲間なんです。
例外はいますが、基本的にどちらも背びれ、胸びれ、尾びれがあって、胸びれと尾びれを使って泳ぎます。
でも最大のイルカと言われているシャチには立派な背びれがありますが、あんな巨体なのにクジラには、ほとんど背びれがない。
何故でしょうか?
イルカに必要、クジラには必要なくなった背びれ
冒頭でも申し上げたように、イルカはクジラの仲間です。
そもそもの起源は、約5000万年前にいたクジラ類の祖先にあります。
クジラ類は、足を持つ、陸地で生活していた生き物でした。
そこから何万年とかけて、水中に適した形になったと言われています。
その段階で枝分かれして、イルカと呼ばれるものと、クジラに分かれたのです。
現在は3M以下のものをイルカ、3M以上のものをクジラとよびます。
ですが、この区別もあいまいで、この条件にあてはまらなくても、それぞれの呼び名で呼ばれることもあります。
クジラもイルカも時速約50キロ泳ぐことが出来ますが、クジラは一日約50キロ、イルカは約65~125キロを泳ぐといわれています。
また、クジラの食事は口をあけるだけで餌が入ってきますが、イルカの場合は魚を狙ってとりにいくという違いがあります。
その他、クジラは生物で最も大きな生物で、外敵が少なく、逃げまわる機会もあまりありません。
最も大きい個体で34Mが確認されています。
イルカは餌をとるためにも、天敵から身を守るためにも、速くかつ、小回りのきく泳ぎをしなくてはならないのです。
そこで活躍するのが背びれ。
スピードを出す程身体のバランスが崩れるものですが、そのブレを背びれが軽減させます。
また、速く泳いで抵抗が強くなっている状態でも旋回しやすくさせています。
このような動きがクジラには必要なかったために、小さくなっていったといわれています。
まとめ
背びれは小さいといっても、その分、あの巨体を動かす尾びれがすざまじく強いようです。
ザトウクジラの場合、尾びれの威力は80トンにもなります。
体を大きくしたクジラと、立派な背びれと素早さを手に入れたイルカ。
どちらも、もはや狼のような陸上生物だったとは思えません。