近年イルカを捕獲して商業目的に使用することが、世界的に禁止になってきています。

そうした流れを受けて、2015年には日本動物園水族館協会が追い込み漁によるイルカの捕獲を禁止しました。

そのため、国内の水族館では今後繁殖によるイルカの展示を目指す必要が出てきました。

しかしながら、イルカの繁殖方法が現状では確立されていないほか、繁殖に関しても数多くの課題があるようです。

なぜ繁殖方法の確立が難しいのかについて、見ていきましょう。

イルカ 繁殖 方法 難しい

現状イルカの繁殖方法の確立はかなり難しい

神奈川県藤沢市にある新江ノ島水族館(旧江ノ島水族館時代)では、1959年に国内で初めてバンドウイルカの繁殖に成功して以降、これまでに100以上の出産事例があります。

近年では、当初は1年未満であった生存率も7割強となるなど着実に繁殖実績を重ねている水族館です。

しかし、そうした繁殖実績豊富な水族館でさえ、繁殖方法を確立するためには多くの課題があるといいます。

まず、遺伝の多様性を確保するために繁殖には水族館間でのイルカの移動が必要となります。

しかし、芸の多いイルカを繁殖のために貸し出すことは興業面から見て難しいといいます。

いくら繁殖に必要だとしても、イルカはショーで集客できなければ餌代を払うことさえ出来ないため、水族館の経営に多大なダメージを与える可能性があるのです。

そうした費用関連の問題は他にもあり、繁殖にはショー用プールとは別に、母イルカが快適に出産するためのプールと子イルカを育てるためのプールが必要となり、それらを揃えるためには莫大な費用がかかります。

また、費用の他に時間も長くかかり、妊娠期間に1年と子育て期間に約2年を費やす必要があります。

今後繁殖方法を確立しようとするならば、そうした状況が多くの水族館の前提にあることを踏まえることが不可欠であり、安易な繁殖に取り組めば、今いるイルカを傷つけるだけでなく水族館自体の経営を揺るがしかねません。

その上で、まずは経営基盤を盤石なものにすることが必要です。

それから、繁殖実績豊富な国内水族館において繁殖方法の情報をまとめたり、イルカを貸し出す態勢を整えたりそれに必要なルールを作ったり、血統の管理をしたりなど繁殖環境を構築していくことになります。

イルカの繁殖方法を確立することは、国内で繁殖を成功している水族館が少ないこともあり、現状ではかなり難しいといえます。

しかし、繁殖方法を確立しなければ近い将来日本国内の水族館からイルカが消えてしまう日がくるかもしれないのです。

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まとめ

見てきた結果、現状では繁殖方法を確立するまでに多くの課題があると知りました。

繁殖する環境づくりに莫大な費用がかかることや、仮に繁殖環境を整えることが出来たとしても今度は時間がかかってしまうのでは、水族館の経営面から見てかなり大変だと思いました。

今まで水族館にはイルカがいて当たり前だと思っていたのですが、今後見れなくなる日が来ると思うと少し寂しいです。

とはいえ、イルカがより快適な生活環境で暮らすことが1番だと思うので、大変でしょうが、イルカの繁殖が無理なら他の動物で集客する仕組みが構築できれば良いなあと思いました。

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