クジラとイルカの違いは何ですかと聞かれると、背びれがあるのがイルカで背びれがないのはクジラと答える人がいます。
確かに写真でイルカやクジラを見ると、ひれの有無がはっきりとわかります。
しかし本当にイルカとクジラの違いは背びれで判断するものなのでしょうか?
背びれがないイルカはいないのでしょうか?
イルカとクジラの本当の違い
クジラとイルカは、どちらも鯨類の動物です。
大きさで区別するとか背びれで区別などと言われますが、なんと生物分類上の違いはないのです。
明確な線引きはありませんが、だいたい大きいものがクジラで小さいものがイルカに分けられています。
因みに、イルカが大きくなったらクジラになるということもありません。
イルカのほとんどに背びれがある
ほとんどのイルカには背びれがあります。
しかし、泳ぐときにその背びれを魚のように積極的に動かすことはありません。
また、イルカの形をした模型にあらゆる形や大きさの背びれを付けて実験しても、泳ぐ速さがぐんと早くなることは無いようです。
本当はイルカも背びれが無くても困らないのかもしれません。
背びれがないイルカ
セミイルカやシロハラセミイルカには背びれがありません。
どちらも全長2m程度で重さが100kgにも満たない大きさのイルカです。
そして背びれはありませんが、胸びれと尾びれはあります。
セミイルカは北太平洋の温暖な海域で生息し、シロハラセミイルカは南半球の特にオーストラリアとニュージーっランドの間の海で多く見られます。
セミイルカの「セミ」は漢字で書くと「背美」になります。
背びれが無いアーチ形の背中が美しく見えるのでしょう。
まとめ
実はイルカとクジラに生物上の分類がないのがわかりました。
そしてイルカにも背びれが無い種類があります。
背びれが無いセミイルカのセミには「背美」の文字がつかわれていて、背びれが無い方が美しく見えるようなのです。
また、背びれがある種類のイルカは背びれを積極的には使っていないようなのです。
将来は全てのイルカの背中から、背びれが無くなる時が来るのでしょうか。