イルカというと、海の中に生息することから「魚類」の一種と思われがちですが、実は「哺乳類」なのです。
「乳腺から乳を分泌」し、「赤ちゃんを卵で産まない」「肺呼吸」であることから「哺乳類」と分類されています。
では、なぜ海の中で生息するようになったのでしょうか?
第4のヒレをもつイルカ
イルカには胸びれ、背びれ、尾びれの3つのヒレがあります。
2006年11月、第4のヒレをもつイルカが発見されました。
この第4のヒレは後ろ足の名残と考えられています。
陸上で生活していた
イルカの祖先は、約6000万年前の陸上の河口付近で生活していたメソニックス類という、4本足歩行の熊やワニやカワウソに近い動物だといわれ、貝や魚を食べていました。
このメソニクッス類は大食いの生き物で、餌をたくさん採るために水中で生活することを選択したのでは、と推測されています。
クジラとイルカは同じ進化の過程を
約5000年前、ムカシクジラ亜目という種類が現れます。
顔の前にあった鼻は後ろに後退し、4本の足はありましたが、前足はヒレへ変化し、後足は徐々に退化していきました。
その後、様々な種族が現れ、水の抵抗を少なくするために毛皮はなくなり、かわりに厚い脂肪で身体は流線型へ変化します。
その他にも、退化した後足の代わりの尾びれを強い力で動かすために必要な筋力を持つようになり、背骨も強くなりました。
顔面にあった鼻は頭頂部へ移動し、水面で呼吸がしやすくなりました。
目はジャンプしても水圧に耐えられるように変化し、嗅覚はほとんどなくなりました。
目の後方にある小さな孔が耳だそうですが、顎で音を感知するので退化しました。
こうして、現在のイルカ・クジラへと進化していきました。
生物分類上違いはない
イルカとクジラは鯨類クジラ目ハクジラ亜目の動物で、生物分類上の差はないそうです。
違いがあるとすれば口の中に、歯茎が変化したと考えられるヒゲ板が数百枚も上あごから垂れ下がっているのがクジラ。
ヒゲがなく、口の中に歯があるのがイルカだそうですが、一般的には大きさでクジラ・イルカを呼び分けています。
明確な基準はありませんが、ハクジラ類のうち小型種がイルカとする分類の仕方もあるようです。
まとめ
イルカが哺乳類というのも不思議な感じもしますが、クジラとイルカが生物分類上の差がなく進化の過程で枝分かれしたという事に驚きました。
人間と猿の関係と、おなじようなものかもしれませんね。