人間と同じ哺乳類であるイルカですが、水中に生息しているため、生活方法はもとより睡眠方法も人間と異なることは何となく推測できます。
しかし、実際にどうやって睡眠をとっているのかはあまり知られていません。
今回は、その点について学びました。
睡眠の方法と睡眠時間について
イルカは哺乳類であるため、陸上の動物と同じように肺で呼吸をします。
しかし、イルカが水中で同じように睡眠をとってしまうと、水を飲んだり、溺れたりして生命の危険を伴います。
そこで、イルカは脳の右側と左側を約2時間交代で分けて睡眠をとっています。
これを半球睡眠といい、起きている方の脳がもう片方の脳に対して指令を出して体を動かし、起きているかのように睡眠をとることができるのです。
イルカ以外で半球睡眠をする動物には、クジラやアザラシ、一部の鳥類がいます。
イルカの半球睡眠は、片目を閉じて、ある一定方向に回転しながら行います。
右脳が眠っているときは左目、左脳が眠っているときは右目を閉じて、睡眠をとるのです。
ただし、飼育されているイルカは、野生のイルカと違って安全だということを知っているためか、水中で動かないまま睡眠をとったり、浮いたまま睡眠をとることもあるようです。
睡眠には、脳が休んで身体が緊張を維持しているノンレム睡眠と、脳が活動し身体の緊張は解けるレム睡眠がありますが、イルカは身体の緊張が解けるレム睡眠がありません。
それによって、常に脳の半分が起きており、筋肉などの活動ができるノンレム睡眠状態となっているため泳ぎ続けることが可能で、海の中で溺れる心配がないのです。
こうした睡眠方法により、開いている方の目で周囲を警戒し、緊急時には即行動することもできます。
特に親イルカは子供が小さい頃は子供側の目を常に開け、目を離さずに見守ることができます。
つまり、哺乳類であるイルカが水中で生活するためには、半球睡眠という睡眠方法は不可欠だといえるのです。
まとめ
調べた結果、イルカの睡眠方法を知ることが出来ました。
人間と同じ哺乳類にも関わらず、生活環境が水中であるために独特の睡眠方法で生活していることを知って驚きました。
人間の感覚からすると、身体を完全に休ませられないイルカが少し可哀想にも感じましたが、今度水中で泳いでいるイルカを見かける機会があったら、片目をつぶっていないか観察してみようと思います。