イルカが泳いでいるところを見たことがあるでしょうか。
水族館のプールで泳ぐイルカであれば、見たことのある人も多いかもしれません。
しかし、プール内では狭い空間のため、本来イルカが持つスピードは出せていないのです。
では、海に暮らす野生イルカは実際どれくらいの速さで泳いでいるのか見ていきましょう。
イルカの泳ぐ速さと高速で泳げる要因について
イルカの種類にもよりますが、野生イルカの多くは時速10~50kmほどの速さで泳いでいます。
人の泳ぐ速さが時速約6.5kmですから、いかにイルカの泳ぐスピードが速いか分かるでしょう。
イルカがこうしたスピードを出せるのは、まずイルカが持つ尾びれの構造が関係しています。
尾びれ
イルカの尾びれはゴムのように弾力があり、尾ビレの中には骨がありませんが付け根辺りにあるV字型の骨の周りには筋肉がついています。
この尾びれを1秒間に3回上下に大きく振ることで推進力を生み出し、高速の泳ぎへと繋げているのです。
こうした泳ぎ方は、1日に数百回も海上で呼吸をするイルカにとって泳ぎながら海上に出たり潜水したり出来るため、大変便利ともいえます。
皮膚
もう1つイルカが高速で泳げる要因がありますが、それは皮膚の仕組みです。
イルカの皮膚の表面は、液体状のもので覆われているためつるつるしており、同時にゴムのような弾力性も持っています。
水の密度は空気の800倍ほどあるため、海中にいるとその抵抗を感じてしまいます。
これは海中で泳ぐと体に沿って小さな渦が発生するためで、前進すればするほど渦が体の後方へと移動し前進を妨げていきます。
そこで弾力のあるイルカの皮膚はしわを作り、泳ぐ際に発生する渦をクッションのように受け止めていきます。
これによって渦によって起きる抵抗を感じにくくなり、イルカは高速で泳ぐことが出来るという訳です。
まとめ
見てきた結果、イルカは乗用車とほぼ同じくらいの速度で泳げることが分かりました。
イルカが同じ哺乳類である人間の約10倍の速度で泳げることに驚きましたが、イルカがそれほど速いスピードで泳げるからこそ高いジャンプも可能なのだと思いました。
しかし、本来イルカが高速で泳ぐ性質をもつ動物であるならば、水族館のプールのような狭い空間で展示し続けることは想像を絶するストレスをイルカに与えている可能性があります。
多くの水族館は、イルカが持つ特性通りにイルカを展示できる環境を整えていく必要があると感じました。