私達が普段水族館で見かけるイルカのほとんどは、バンドウイルカと呼ばれるイルカです。
しかしその他にも約30種類のイルカがいることや、イルカによって様々な違いがあることはほとんど知られていません。
日本の限られた水族館でしか見られないシロイルカという種類のイルカもその1つです。
今回はそのシロイルカの野生の生態について、調べてみました。
野生のシロイルカの生活環境や体の特徴
生息地
シロイルカは北極海とその周辺海域やベーリング海北部、オホーツク海などに分布しており、アラスカやカナダ、グリーンランド、ノルウェー、ロシアなどの主に寒い地域で見られるイルカです。
体が全体が真っ白であることから、別名シロクジラやベルーガとも呼ばれています。
冷たい海域に生息しているために脂肪層が厚く、10~15cm程度の脂肪層をもっています。
体の特徴
シロイルカの身体は真っ白ですが、最初から白い訳ではなく生まれた直後は灰色に近い色です。
そこから約7年の歳月をかけて、成長ととも真っ白になっていきます。
体長は雄が4~5m、雌が3~4mで雄の体の方が少し大きく、大きいものでは体重約1900kgにまで成長します。
通常のイルカとは異なり円筒形の体型になっているほか、自由に動かせる首を持っていることで上下左右にほぼ90度動かすことができます。
さらに、唇を動かすことができるため他のイルカ類のようにジャンプは出来ないものの、人間にとっては非常に表情豊かなイルカと映るのです。
また他のイルカ類とは違い背びれはありませんが、長さ20cm高さ1cmの硬い隆起があります。
ちなみにシロイルカに背びれがない理由は、主に生息している北極圏の海が1年の大半を氷で覆われているためで、無数に浮かぶ氷の間を自由に泳げるように進化の過程でなくなったことが原因といわれています。
生態
シロイルカは通常雄と雌で別々の群れをつくって生活し、反響定位という超音波で周囲の様子を察知したり仲間との意思疎通を行ったりしています。
そのほか、夏季になると河口付近に仲間とともに集まり、体を砂にこすりつけて脱皮するという面白い特性も持っています。
まとめ
調べた結果、野生のシロイルカは氷が浮かぶ海で生活しているためか、他のイルカ類にはない特徴を持っていることが分かりました。
特に首や唇をほぼ自由に動かせたりするのは、人間から見ると可愛く感じる特徴だと思います。
野生のシロイルカを見る機会はなかなかありませんが、現在国内では4つの水族館でシロイルカを見られるようなので、シロイルカを間近で観察する機会があれば首や唇の動きに注目してみるのも面白いかもしれません。