2015年5月に日本動物園水族館協会(JAZA)に世界動物園水族館協会(WAZA)から、野生のイルカの捕獲方法が残酷すぎると言う事から、会員資格の停止措置が取られた事に対してJAZAが取った対応がWAZAの協会に残留する方向で決定しました。
この事は野生のイルカを捕獲するための漁が残酷、と認めてしまったように感じる方も多いのではないでしょうか?
イルカを水族館で展示する為の捕獲方法が問題なのか?
イルカを水族館で展示するために、野生のイルカを捕獲する漁が問題になっています。
そもそも、なぜここまでの問題に発展したのか?
2009年に公開された映画「The Cove」によるところが大きいようです。
ここで問題となっているのが、イルカを捕獲するための漁の仕方です。
追い込み漁。
入り江に入ったイルカの群れを、入り江から出さない様にして浜辺に追い込んで捕獲する漁法です。
この漁法が残酷と言われているのです。
水族館に引き渡すイルカ以外は食用とされる為に、血抜き作業を行います。
この時に、海が血の色に染まることから残酷と称されている様です。
日本以外でもイルカを捕獲している国もありますので、日本だけがイルカを捕獲して命を奪っている誤解を世界発信しているのも問題です。
水族館でイルカは見れなくなってしまうのか?
WAZAからJAZAに通告されたのが、追い込み漁でのイルカの捕獲を禁止するものでした。
それに対してJAZAはWAZAの通告を受け入れて、会員に留まることを決意しています。
そうなると、イルカの追い込み漁で捕獲したイルカは水族館に引き渡しが出来ない状態になっています。
その為、現在飼育しているイルカの個体数が減る事で、捕獲から繁殖に切り替えなければならなくなります。
現段階でイルカを繁殖するには問題も多く、日本では繁殖するまでには至っていません。
また繁殖する事に成功しても、同一の群れからの何世代に渡っての繁殖は生物学上危険性も高いと言う事で、こちらの問題も解決が難しい状態と言っていいでしょう。
そうなると野生からの捕獲を止めてしまうことで、現存するイルカの個体数が確保できなくなり、最終的には水族館からイルカの姿がなくなってしまうと言う事になります。
まとめ
水族館が抱えるイルカの問題について紹介してきました。
The Coveからの問題提起と言う事もありますが、どの国どの地域にも食文化と言う物があります。
それをある一部の方が大声を上げる事で、1つの文化が消滅してしまう事もあるのです。
可愛い動物だから命を奪ってはいけない、と言う方が平気でペットや外来種を飼いきれないとの理由で野に放つのです。
また、他国の文化に自国の文化を押しつける、これは内政干渉にも発展しかねない問題なのではないのでしょうか?