ドルフィンキックで縦横無尽に海の中を高速で泳ぐイルカ。
よく見ると、背びれって使ってる?
そんな疑問がでてきます。
何のためにあるのか、調べてみました。
泳ぐために必要なイルカの背びれ
イルカは、背びれ・胸びれ・尾びれを持っています。
背びれは、他のひれと違って中に骨や筋肉がありません。
また、サメと違って、少し丸みがあります。
イルカは泳ぐ時、尾びれを力強く上下に振ることで、時速約70キロもの速さをだします。
ドルフィンキックといわれるものです。
水中で、それだけの速さを出すと上下の振りと、水の抵抗が強くて身体がぶれやすくなりますが、この背びれが左右のバランスをとって安定感を生み出しています。
また、急激な方向転換の時にもブレーキのような役割を果たしています。
水族館等、狭い場所で生活するイルカは、海にいた時のように速く、長く泳ぐことがなくなります。
そうなると、背びれが折れ曲がったり、損傷しやすくなるのだそうです。
運動不足による筋力の衰えが原因と考えられています。
犬や豚は、飼育されることで力を入れる必要がなくなり、狼や猪のようにピンとした尻尾でなくなったそうです。
飼育下のイルカも背びれがへたるということは、犬や豚と同じと考えられます。
全ては早く泳ぐため、野生のイルカは力を入れて、あの三角の形を維持しているのです。
速く泳ぐ以外にも背びれには、重要な役割があります。
体温調整です。
イルカは、もともと哺乳類だったため、体温の管理は必須です。
そこで背びれを出して、調整しているのだそうです。
イルカには生理等もあるため、人間同様ホルモンバランスを整えるためにも必要なことなのです。
まとめ
骨や筋肉はないのに、そこに労力を使って立たせる価値のあるもの。
泳ぐためだけでなく、体温調節という命の恒常性を保つ役割まで担っている。
一見役に立っていなさそうに見えても、無駄なものはついていない。
背びれはイルカにとって、とても大事なものだったのですね。