水族館では色々な海の生き物を見る事が出来ますが、その中でも水族館の目玉として良くあるのが「イルカショー」ではないでしょうか。
1つの水族館で何頭かのイルカを飼育していますが、そこに居るイルカは日本の水族館で繁殖・飼育されているのでしょうか。
日本の水族館でのイルカの自然繁殖事情について、今回はお話ししていきましょう。
日本での自然繁殖について
現在日本の水族館では、34の施設でイルカを飼育していますが、そのうち繁殖の経験があるイルカがいるのは12施設のみになります。
繁殖率もアメリカが約70%に対して、日本は約10%程度。
意外にも水族館で飼育されているイルカというのは、その場所で繁殖・飼育されているものは少ないという事です。
イルカはどこから仕入れているの?
では、そこで生まれて育ったイルカが少ないという事は、どのようにして水族館は飼育するイルカの数を増やしているのでしょうか。
昔はイルカの「追い込み漁」という、海の周りを囲んで入り江や浜辺にイルカを追い込み、ダイバーなどが浅瀬にきたイルカを捕獲するという方法で、イルカを獲っていたのです。
しかしながら、その方法に関して「世界動物園水族館協会(WAZA)」が倫理的な観点から、イルカの追い込み漁に関して「NO」を出したのです。
日本の自然繁殖率が低い理由
イルカの追い込み漁に「NOサイン」が出てしまった為、イルカが欲しい時に手に入らなくなった事は、日本のイルカの自然繁殖率が低くなった理由の一つと言えます。
その他にもイルカを自然繁殖させる事で、メスのイルカは妊娠・出産をする訳ですので、飼っている水族館でのイルカショーなどの出演が難しくなります。
それによって、水族館の集客率が下がり、経営事情にも影響しないとも言い切れないからです。
しかしながら、今後イルカの自然繁殖が見込めない場合には、日本のイルカの飼育数はどんどん減少していく可能性もあります。
まとめ
今後日本の水族館が、イルカを手に入れる場合には
1.自然繁殖を増やす。
2.海外からのイルカの貸し借り。
3.自然保護したイルカの飼育。
の3通りの方法になってきます。
自然繁殖に関してはコストもかかってくるはずですが、可愛いイルカを水族館で見られなくなるのも寂しいですね。
なるべくイルカの繁殖・飼育などに関して研究が進む事を願うばかりです。