イルカは人間と同じ哺乳類であるため肺呼吸をしている動物です。
しかし、陸上で暮らす人間とは違って水中で暮らしています。
それゆえ、呼吸や息継ぎをどうやって行っているのかが気になるところです。
呼吸する場所も含めて見ていくことにしましょう。
イルカが水中で暮らしているにもかかわらず、肺呼吸である理由と息継ぎをする理由
そもそも、水中で生活するのにどうして肺呼吸なのかという疑問が浮かびます。
その理由は、イルカの祖先と言われているパキケトゥスにあります。
このパキケトゥスは5000万年前に地上にいたオオカミのような動物で、4足歩行の陸上生物で肺呼吸をしていました。
現在でいうワニのように水辺で生活しながら、水に身を潜めて狩りを行っていました。
このパキケトゥスが水辺で生活するうちに、より水中で生活するのに適した進化を遂げ海で暮らすようになったのが、イルカの始まりだといわれています。
進化の過程で水陸両性へと進化し、結果として水中生活するようになったという訳です。
その後約2~3000万年前に現在のイルカの姿になったそうです。
イルカの水中生活における呼吸や息継ぎの仕方
水中で生活するイルカは水中では息を止め、水面に上がったときに効率的に呼吸をしています。
その呼吸方法は、水面に浮かびながら頭の上にある噴気孔と呼ばれる鼻孔を開けて息を吐き、すぐに鼻孔を閉じるというやり方です。
頭を少し上げるだけで呼吸ができますが、呼吸するために1分間に2~3回の割合で海面に上がってくる必要があるため、1日に数百回も海上に出る必要があります。
また、前述したようにイルカは肺呼吸であるため、寝ている間も意識して呼吸を行わないと溺れてしまいます。
半球睡眠という右脳と左脳で交互に睡眠を摂る方法で泳ぎながら眠っていますが、その睡眠中も呼吸を行うために海面に上がり続けているのです。
しかしながら、彼らの呼吸回数は陸上の哺乳類に比べて少ないことが分かっており、少ない呼吸数でも大丈夫なように1回で効率良く呼吸をしています。
例えば、人間はどれだけ深呼吸をしても身体全体の2割程しか空気の入れ換えができませんが、イルカは1回の呼吸で8~9割の空気を入れ換えられるのです。
まとめ
調べた結果、イルカが肺呼吸にも関わらず水中で生活している理由と呼吸方法が解りました。
また、イルカは人間と違って意識して呼吸をしなければならないことを知って大変だと感じました。
私達人間が意識して呼吸しなければならないとしたら、日常生活もままなりません。
ただ、イルカのように1回の呼吸で体内の空気の大半を入れ替えられるのはかなり効率的だと思いました。